地に足をつけない方がいいタイプの生き物

私は幼い頃からとにかく走るのが嫌いで、小学校のクラスの女子では三番目に足が遅かった

ある日の体育で【横っ飛び選手権】なるものが行われた

校庭の端から端まで横向きにジャンプしながら、両足を交互に開閉させつつ移動していく謎競争

何故か私は優勝した

ハードルの授業では僅差で二位

体力テストの垂直飛びは三位

バスケットボールはドリブルが妙に速い

水泳の授業では、平泳ぎが圧倒的に速いという理由だけで学年対抗リレーの選手に推薦された

リレーは皆クロールなのに!?
クロールは特別速い方でもないのに!?

そんな私の訴えも聞き入れられることなく強制的に選手とされてしまった

学年対抗リレーは授業参観と重なり、大勢のギャラリーが駆け付けた

めちゃくちゃやる気なかったから知らなかったが、まさかの飛び込みスタートだった

飛び込み苦手だし何の練習もしてなかった私、盛大に腹を打って水しぶきブチアゲ

やけくそになって泳いでたら記憶が飛んで、ゴール間近で気付くとプールの半分以上先に居たはずの一位の選手の足が真横にあった

その後うちのクラスはアンカーに身体能力高すぎで有名な子が居たクラスに次いで二位だった

私の思わぬ活躍は少しばかり場を賑わせたらしい

スプラッシュマウンテンかっつーぐらい派手な飛び込みを披露した子が奇跡の追い上げを見せるなんて誰も想像出来なかっただろう

飛んだり跳ねたり、水中だったり

今では社会からフェードアウトして生きてるし

どうやら私は地に足をつけないほうがいいタイプの生き物なのかもしれない

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